トリプレート線路共振器法
概要
トリプレート線路共振器法はマイクロ波帯と呼ばれる1GHz以上の高周波での複素誘電率ε*が測定可能です。トリプレート線路共振器はマイクロ波帯で一般的に用いられるストリップ構造をしており、評価結果をそのまま設計パラメータとして用いることができます。 また、複数の共振点での測定ができるため、 1GHz~25GHzという幅広い周波数帯の測定が可能です。さらにε*だけでなく、ストリップラインの実効導電率σeffが測定できます。(Tanaka, IEEE Trans., I&M.,38,pp509, 1989) プラスチックは例えば電気機器の回路基板に用いられますが、誘電特性は電気回路の設計や電力の設計に必要なパラメータです。
試験方法と測定例
原理
試料未挿入時並びに試料挿入時の共振特性(共振周波数、3db 帯域幅、透過電力比)を測定し、試料の比誘電率及び誘電正接を算出する。

特微
-
共振器法を用いることで、1GHz~25GHzの周波数帯で、低損失材料の誘電率測定が可能です。また複数の共振点を測定することで周波数特性測定が可能です。
-
トリプレート線路共振器はマイクロ波帯で一般的に用いられるストリップ構造をしており、評価結果をそのまま設計パラメータとして用いることが可能です。
測定範囲
-
温度:-40~120℃
-
測定周波数:1GHz~25GHz(ベクトルネットワークアナライザ)
測定例


試験片
①25W×38L、②25W×53L、③25W×97L の3種が各2枚必要。
厚さ 1~2mm
用途
比誘電率・誘電正接の測定
規格例
なし
お問い合わせ CONTACT
当社へのご相談・ご質問がございましたら、お気軽にこちらからお問い合わせください。
WEBでのお問い合わせ
お電話でのお問い合わせ
- 営業部(東日本)
- 03-5462-7051
- 営業部(西日本大阪)
- 072-977-2065
- 営業部(西日本名古屋)
- 052-726-8392
関連試験のご紹介
同軸線路共振器法を用い、比誘電率、誘電正接を測定します。板、ブロック状に対し、100MHz~1GHz帯に対応しています。
比誘電率・誘電正接試験 トリプレート線路共振器法 JPCA-TM001
JPCAーTM001に規定されたトリプレート線路共振器法で比誘電率及び誘電正接を測定します。
- 規格・試験法
- JPCA-TM001
円筒状の導波管を用いた共振器を使い、試料未挿入時および試料挿入時の共振特性を測定し、比誘電率、誘電正接を算出します。
1GHz~5GHz帯に対応しています。
円筒状の導波管を用いた共振器を使い、試料未挿入時および試料挿入時の共振特性を測定し、比誘電率、誘電正接を算出します。
5GHz~40GHz帯に対応しています。
- 規格・試験法
- JIS R 1641
円筒状の導波管を用いた共振器を使い、試料未挿入時および試料挿入時の共振特性を測定し、比誘電率、誘電正接を算出します。
電界の向きがほぼ一様な位置に試料をセットすることで、特定の方向の誘電特性が測定できます。
対向した凹面鏡を用いたファブリペロー共振器は非常に低損失である特徴を持ち、ミリ波帯で高精度な比誘電率及び誘電正接を測定します。
- 規格・試験法
- JIS R 1660-2
円板状のストリップ回路を用いた共振器を使い、共振特性を測定し、比誘電率および誘電正接を算出します。
50GHz~90GHz帯に対応しています。
- 規格・試験法
- JPCA-FCL01
無限長さの導波管を模した共振器を使い、共振特性を測定し、比誘電率および誘電正接を算出します。
75GHz~90GHz帯に対応しています。
- 規格・試験法
- JIS R 1660-1