面内誘電特性の異方性評価法 円筒空胴共振器(TE111法)
概要
電気機器に用いられる材料の誘電特性(比誘電率・誘電正接)は電気回路の設計や電力の設計に必要なパラメータですが、高分子材料や複合材料はその構造由来の異方性が生じる場合があります。誘電特性の試験方法の一つである円筒空胴共振器法(TE111法)は、誘電特性の異方性評価に適した方法であり、 高周波用途の基板や成形材料などの特性評価などに有効です。
試験方法と測定例
原理
ストリップラインや導波管といった伝送線路を伝搬する電波の速さや電気的損失の特性はその線路の構成や線路を構成する材料の材料定数(誘電特性、透磁特性)により決定します。
このため、測定したい試料を含む伝送線路の特性を測定することにより、試料の誘電特性の測定を行うことが可能です。
伝送線路の伝送特性を測定する方法の中で、共振器法は特異点を測定することにより非常に精度の高い測定が可能な方法です。
円筒空胴共振器法は円筒状の導波管を用いた共振器を使い、試料未挿入時および試料挿入時の共振特性(共振周波数、Q値)を測定し、試料の比誘電率、誘電正接を算出します。
その中でもTE111モードを用いた測定法は、電界の向きがほぼ一様な位置に試料をセットすることで、特定の方向の誘電特性が測定できます。
特微
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誘電特性の面内異方性を評価することができます。
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ミリ波(30GHz以上)の高周波での測定が可能です。
測定例
二軸延伸フィルムの誘電特性異方性評価
用途
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配向性材料(延伸フィルムや液晶ポリマー(LCP)など)の誘電特性の異方性評価
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複合材料(繊維配合樹脂など)の配向状態の解析
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