同軸線路共振器法

概要

比誘電率・誘電正接試験(同軸線路共振器法)は共振器内部の電磁界計算から材料の誘電特性を評価する方法です。100MHzから共振可能な共振器を用いることで高精度測定が可能であり、100MHz~1GHz帯において高精度測定が必要な低損失材料などの誘電特性評価に有効です。 複数の共振点での測定ができるため、 100MHz~1GHz帯の周波数依存性の測定が可能です。

試験方法と測定例

原理

試料未挿入時並びに試料挿入時の共振特性(共振周波数、3db 帯域幅、透過電力比)を測定し、試料の比誘電率及び誘電正接を算出する。

図_同軸線路共振器の形状
図_試料形状

特微

  • 共振器法を用いることで、100MHz~1000MHzの周波数帯で、低損失材料の誘電率測定が可能です。また複数の共振点を測定することで周波数特性測定が可能です。
  • 中空の同軸線路の一部に試料を設置する構成のため、小さい試料サイズで評価可能です。

測定範囲

  • 周波数:約100M~1.1GHz(ベクトルネットワークアナライザ)
  • 温度:室温

測定例

グラフ_PTFE及び回路基板材料の同軸線路共振器法での測定結果(比誘電率)
グラフ_PTFE及び回路基板材料の同軸線路共振器法での測定結果(誘電正接)

試験片

外径39mm, 内径17mm, 厚さ10mmのリング状

用途

比誘電率・誘電正接の測定

規格例

なし

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