比誘電率・誘電正接試験 ファブリーペロー共振器法

概要

ミリ波帯(30GHz-300GHz)はその帯域の広さからより高速な情報伝達が可能な周波数帯であり実用化が進んでいます。比誘電率・誘電正接試験(ファブリーペロー共振器法)は共振器内部の電磁界計算から材料の誘電特性を評価する方法です。ファブリーペロー共振器法は比較的厚い材料の測定も可能であり、利用が拡大しているミリ波帯の特性評価に有効です。

試験方法と測定例

原理

試料未挿入時並びに試料挿入時の共振特性(共振周波数、3db 帯域幅、透過電力比)を測定し、試料の比誘電率及び誘電正接を算出する。

図_ファブリペロー共振器

特徴

  • 30GHz~75GHzの周波数帯の誘電率測定が可能です。
  • 凹面鏡を対向させた構造で共振器を大きく構成できるため、空胴共振器と比較してより共振器自体の損失が小さく低損失材料の評価が可能な方法です。

測定範囲

  • 周波数:30~75GHz
  • 温度:室温

測定例

PTFE及びガラスエポキシの周波数依存性測定結果

用途

比誘電率・誘電正接の測定

サンプルサイズ

70mm×70mm、厚さ3mm~10mm

規格例

JIS R 1660-2

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