比誘電率・誘電正接試験 平衡型円板共振器法
概要
絶縁体は電気回路基板として用いられますが、誘電特性により配線形状や消費電力が変わるためできるだけ低損失の材料が求められています。比誘電率・誘電正接試験(平衡型円板共振器法)は共振器内部の電磁界計算から材料の誘電特性を評価する方法です。平衡型円板共振器法はミリ波帯で複数の周波数の誘電特性測定が可能な方法であり、マイクロストリップ線路に用いる基板材料などの特性評価に有効です。
試験方法と測定例
原理
ストリップラインや導波管といった伝送線路を伝搬する電波の速さや電気的損失の特性は、その線路の構成や線路を構成する材料の材料定数(誘電特性、透磁特性)により決定します。
このため、測定したい試料を含む伝送線路の特性を測定することにより、試料の誘電特性の測定を行うことが可能となります。
伝送線路の伝送特性を測定する方法のなかで、共振器法は特異点を測定することにより、非常に精度の高い測定が可能な方法です。
平衡型円板共振器法は円板状のストリップ回路を用いた共振器を使い、共振特性(共振周波数、Q値)を測定し、試料の比誘電率および誘電正接を算出します。

特微
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ミリ波帯の誘電率測定が可能です。
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特殊な励振機構を用いることで幅広い周波数帯の測定が可能な手法です。
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広範囲での温度領域での測定が可能です。
測定例
- 樹脂フィルムの誘電特性周波数依存性
- 樹脂フィルムを試料とした平衡型円板共振器を作製し、その共振特性(共振周波数、Q値)より比誘電率、誘電正接を算出しました。


用途
比誘電率・誘電正接の測定
サンプルサイズ
大きさ35mm×35mm(標準)、厚さ0.4mm以下を2枚
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