湿度制御TMA試験

概要

熱機械分析(TMA, Thermomechanical Analysis)は、試料に一定荷重をかけながら温度などの熱的な負荷に対する変形を計測する手法です。湿度制御TMAでは、雰囲気湿度を変化させたときの膨張や収縮などの変形を測定することで、水分に対する試料の安定性を調べることができます。

試験方法と測定例

原理

雰囲気湿度を一定のプログラムによって変化させながら、引張などの非振動的荷重を加えた状態での試料の変形量を差動トランスにより測定する方法です。

TMAの模式図
湿度制御TMA装置構成

装置仕様

  • 温度範囲:5~90℃
  • 湿度範囲:5~90%RH
  • レンジ :±2500μm(分解能:±0.5μm)
  • 対象試料:フィルム、シート

測定例

ポリイミドフィルム(12.5μmt)の吸湿挙動
測定条件
モード:引張
荷重 :10gf
試料長さ:20mm
試料厚さ:12.5μm
ポリイミドフィルム(12.5μmt)の吸湿挙動グラフ

電子材料として広く用いられているポリイミドは、化学構造により吸湿性が異なり、湿度に対する膨張率が異なることが確認できます。また、吸湿の時間に対する応答(吸湿速度)が異なることが分かりました。

OA紙と光沢紙の湿度影響測定
測定条件
モード:引張
荷重 :5gf
試料長さ:20mm
試料厚さ:0.1mm
OA紙と光沢紙の湿度影響比較

紙は吸湿性があるため、湿度上昇に伴い膨張することが確認できます。特に光沢紙は吸水性を持つ材料が塗布されているため、湿度上昇に伴い大きく膨張することが分かります。

用途

・高分子材料、電子部品材料の吸湿性評価

・フィルム、繊維、紙などの伸縮性評価

・膨張・収縮時の応力評価

・試料の異方性評価

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