熱膨張率試験 TMA法

概要

多くの製品や部品は、作動時に発熱することで変形や熱劣化など熱による不具合が発生します。積層品や複合品などは各々の素材の線膨張係数が異なるため、反りによる変形や剥離が発生します。TMA法は、炉内の試料温度を温度プログラムによって変化させ、その際に発生する変位を作動トランスで検出し、線膨張係数を求める方法です。固形状の場合は圧縮モード、フィルム状の場合は引張モードと、試料の形状に合わせた測定モードで対応できます。

試験方法と測定例

原理

試料の温度を一定のプログラムによって変化させながら、圧縮、引張などの非振動的荷重を加えた状態での試料の変形量を差動トランスにより測定する方法です。

荷重の与え方として、圧縮、引張があります。

特徴

  • 広い温度範囲での測定が可能です。
  • 固形状やフィルム状などの測定が可能になります。
  • 線膨張係数測定の測定法で広く普及している方法です。

測定範囲

  • 温度範囲:-140~600℃
  • 昇温速度:0.01~100℃/min(5℃/minが最適)

測定例

変位量の温度依存性による線膨張係数・ガラス転移温度の解析例
TMA法による変位量の温度依存性による線膨張係数・ガラス転移温度の解析例(グラフ)

用途

固体試料の線膨張係数・ガラス転移温度・軟化温度の測定

サンプルサイズ

圧縮モード:自立可能な試料(厚さ0.5mm以上)

引張モード:フィルム(4mm×20mm以上)

規格例

JIS K 7197 「プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法」

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関連試験のご紹介

レーザー干渉法(二重光路式マイケルソン型)により、試料の熱膨張を精密に測定します。

低線膨張材料、薄膜の厚さ方向の測定に適しています。

規格・試験法
JIS R 3251