熱膨張率試験 レーザー干渉法
概要
多くの製品や部品は、作動時に発熱することで変形や熱劣化など熱による不具合が発生します。積層品や複合品は各々の素材の線膨張係数が異なるため、反りによる変形や剥離が発生します。レーザー干渉法は、レーザー光のような規則正しい周期をもった光波を2つに分け、再合成すると光波の干渉現象が観察されることを利用して、試料の変位を計測する方法です。光源としてHe-Neレーザーを使用しており、微小な変位や変化を検出することで正しい線膨張係数の測定が可能です。
試験方法と測定例
原理
レーザー干渉法(二重光路式マイケルソン型)は、温度変化による試料の変化量を二光束の干渉による縞の移動量として計測し、試料の熱膨張量を求めます。
(縞が光路差によって移動し、この移動量を検出します)

特徴
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50μm程度の樹脂フィルムの厚み方向の測定ができます。
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セラミックなどの極低線膨張係数試料の測定が可能になります。
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TMAでは困難な、厚さ100μm程度の極低線膨張係数試料の面内方向の測定が可能です。
測定範囲
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測定可能温度範囲:-50~300℃
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昇温速度:通常は2℃/min(最大5℃/minまで)
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変位量検出分解能:20nm
測定例

測定回数:3回
線膨張係数:平均5×10-7/℃
用途
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パッケージ基板(有機、セラミックスなど)の線膨張率測定
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金属やセラミックスなどの線膨張率測定
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フィルムや薄板の線膨張率測定
サンプルサイズ
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フィルム、薄板(0.1~1mm程度、☐5~6mm、Φ5~6mm)・・・厚さ方向
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長さ10~15mm×Φ5~6mm、☐5~6mmの円柱、角柱(両端をR加工し、点接触させる)
規格例
JIS R 3251:1995 「低膨張ガラスのレーザ干渉法による線膨張率の測定方法」
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関連試験のご紹介
試料の線膨張係数、ガラス転移温度、軟化温度などを測定します。
JIS K 7197規格に対応しています。
- 規格・試験法
- JIS K 7197