動的引張粘弾性試験
概要
プラスチックは弾性体と粘性体の両方の性質を持つ粘弾性と言われる特徴的な挙動を示します。粘弾性を有することにより、力学的性質において温度と時間に強く依存するため、それらの特性を理解することは非常に重要です。動的引張粘弾性は固体状試験片の引張方向に一定の微小ひずみ振幅を正弦波で与えたときに材料から応答される荷重を測定し、粘弾性特性を評価する方法です。
試験方法と測定例
原理
一定の繰り返し刺激(正弦波)を物体に与え、発生する応力を測定し、力とひずみの関係から物体の動的粘弾性を測定します。
特微
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温度依存性測定を行うことで、機械特性の温度変化、ガラス転移温度などの情報が得られます。
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同時に複数の周波数での測定が可能です。
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周波数と温度を変化させることでマスターカーブを作成することが可能です。
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これらのデータをCAEなどを用いて解析することにより、材料の長期的挙動を予測することが可能となります。
仕様
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装置:エー・アンド・デイ社製 レオバイブロン DDV-01FP,DDV-25FP
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測定モード:引張、曲げ、圧縮
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測定温度:-150~400℃
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周波数:0.01~110Hz
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動的荷重:0.3mN ~ 25N
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変位量:4μm ~ 250μm
試験治具



測定例


温度変化により試料の剛性、減衰特性が変化することがわかります。
その変化からTg等が見積もられます。
用途
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ガラス転移温度の測定
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結晶化、結晶変態のような現象の検出
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ポリマーブレンドの混合状態の解析
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マスターカーブの作成
規格例
JIS K 7244 「プラスチック-動的機械特性の試験方法」
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