表面切削試験(SAICAS、サイカス)

概要

異種材からなる複合材料には必ず表面・界面が存在します。各材料間の接着・剥離強さの評価法には種々ありますが、SAICASは切削加工を応用した試験方法で表面から内面、さらには異種材料であれば界面近傍まで連続的に切込み、その時の水平・垂直の切削力と刃先の試料表面からの位置を測定し剥離強度を算出します。

試験方法と測定例

原理

鋭利な切り刃を用いてコーティング材料表面から連続して切削し、コーティング材料内の切削力からせん断強度を、界面切削中の力から付着強度を求めます。

サイカス概要図解

特微

  • 切削時の動画撮影が可能。剥離の状況が把握できます。
  • 温度を変化させた試験が可能です。

測定範囲

  • 荷重:MAX 20N(水平方向・垂直方向)
  • 切刃移動速度:水平速度 0.02~50μm/sec
    垂直速度 0.002~5μm/sec
  • 測定時間:50sec~1hr
  • 測定温度:室温~200℃
    (試験可能温度は試料の状態によります。ご相談ください。)

測定例

サイカス測定例 塗膜の密着力測定

用途

  • 各種コーティング、ラミネート品の膜厚、付着強度の測定
  • 表面の劣化過程の追跡(表層物性変化)
  • 接着剤の硬化度の測定

サンプルサイズ

50mm角程度

SAICAS(サイカス)による表面加工および測定例

SAICAS(サイカス)を用いて斜め方向に切削加工することにより、多層フィルムの各層を分析できます。

試料例:多層フィルム
サイカス装置を用いて斜め方向へ切削加工概念図
切削加工面の適用分析例

切削加工面の測定例

多層フィルムの表層および内部層の分析(FT-IR, TOF-SIMS)

加工面の画像およびFT-IR測定結果
TOF-SIMS測定結果

多層試料の表層から内部までの各層の組成分析が可能です。

劣化品の劣化度合いの評価にも応用できます。

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