固体高分解能NMR

概要

固体高分解能NMRは、溶媒に溶解しない試料、溶液化により構造が変化する等により固体状態で評価したい試料を測定試料として、主に有機化合物の化学構造解析・硬化構造解析を行うことができます。

試験方法と測定例

原理

測定試料を固体NMR用サンプルチューブに詰めて、
超電導磁石内に入れ高周波を照射します。
その際に試料中の物質の原子核が特定の波長の電磁波に
共鳴(相互作用)することで信号が得られます。
その信号をフーリエ変換したものがNMRスペクトルになります。

固体NMRの外観画像

特微

  • 溶媒に溶解しない試料、溶液化により構造が変化するため固体状態で評価したい試料などのNMR測定を行うことができます。
  • CP/MAS(交差分極/マジック角回転)法を適用することで高感度・高分解能測定を行うことができます。

測定範囲

測定対象核:13C, 29Si,31Pなど

測定例

用途

  • 固体状態での有機化合物の化学構造解析
  • 熱硬化性樹脂の硬化構造解析

サンプルサイズ

約1g:微粉砕物を使用します。

        ※金属・導電性物質を含む試料、熱や衝撃に対して不安定な試料は測定できません。

フェノール樹脂の硬化反応解析

硬化が促進するように条件を変えることにより、
・架橋構造を示す「A」のピーク強度が増加
・反応していない「B」のピークが減少
     ↓
硬化度合いを評価することが可能

フェノール樹脂構造例と硬化温度条件の異なるフェノール樹脂の固体13C-NMRスペクトル

緩和試薬を用いた固体NMR測定の迅速化

概要

NMR測定では、ラジオ波パルスの照射によって励起された磁化が熱平衡状態まで緩和するのを待つ必要があります。一般的に固体試料の緩和時間(𝑇1)は長いため、測定に長時間を要しますが、緩和試薬を添加することで、𝑇1を短縮することができます。

NMR測定における磁化状態の模式図

測定例

フェノール樹脂成型材の固体13C-NMR測定:緩和試薬有り/無しでの比較

緩和試薬添加による緩和時間の短縮効果
緩和試薬添加有無での測定時間及びDD/MAS法によるNMRスペクトルの比較①
緩和試薬添加有無での緩和時間不十分下DD/MAS法によるNMRスペクトルの比較②

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