溶融粘度測定(高化式フロー)

概要

高化式フローテスタはキャピラリー粘度計の一種で圧力を一定にした状態で定温法および昇温法で粘度を測定します。プラスチックは通常、溶融状態で成形加工が行われます。溶融状態を表す指標として、最も基本的な特性は粘度です。粘度を測定する最も一般的で簡単な装置がキャピラリー粘度計です。温度および荷重(=せん断速度)を変えた複数の水準で、定温法の測定をすることで、粘度の温度依存性、せん断速度依存性、硬化度依存性の測定できるため、樹脂流動シミュレーションで必要となる粘度(レオロジー)パラメータに必要なデータが取得可能です。

試験方法と測定例

原理

高化式フローテスタは試料を加熱シリンダに入れてピストンを載せ、シリンダ内で試料を一定時間予熱した後、試料荷重を加え、溶融流出量の関数であるピストン降下量を計測します。
ピストン降下量を降下時間で除した値を流れ値として評価します。

特徴

  • 400 ℃までの定温法および昇温法での測定が可能です。
  • 押出圧力:0.098 MPa~9.8 MPaの範囲での測定が可能です。
  • 昇温測定が可能なため、樹脂の軟化温度、流出開始温度、溶融温度が測定できます。
  • 種々のダイ寸法金型を用いることにより、広範囲の粘度測定が可能です。
  • 割型ダイを使用することにより、熱硬化性樹脂の測定が可能です。
  • 温度および荷重(=せん断速度)を変えた複数の水準で、定温法の測定をすることで、粘度の温度依存性、せん断速度依存性、硬化度依存性の測定できるため、樹脂流動シミュレーションで必要となる粘度(レオロジー)パラメータに必要なデータが取得可能です。

仕様

高架式フローテスタ仕様
高架式フローテスタCFT-100D外観画像
高架式フローテスタのシリンダ構造概略図

計算

流出量計算式
せん断応力計算式
せん断速度計算式
見掛けの粘度計算式

測定例

グラフ:流動曲線(昇温法)
グラブ:せん断応力ーせん断速度曲線

用途

  • 成型品の温度・圧力・流出速度等
  • 原料の流れ特性評価、加工条件の選定
  • 熱安定性の外観評価
  • 粘性流動の活性化エネルギーの算出
  • 粘度特性評価(時間依存性、温度依存性、せん断速度依存性、硬化度依存性)
  • 樹脂流動シミュレーション用物性評価(材料パラメータ化)

試料

熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤、複写機用トナー、ゴム、セラミックス、食品、化粧品、薬品、塗料、インキ、繊維など

  • 試料形態:粉体、ペレット、シート、タブレット(11 mmφ×15 mmH)
  • 試料量:1回の計測で約1~3g

規格例

・JIS K 7199 「プラスチック-キャピラリーレオメータ及びスリットダイレオメータによるプラスチックの流れ特性試験方法」

・JIS K 7210 「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)およびメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」

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