示差走査熱量測定(DSC)

概要

高分子材料は、温度により急に柔らかくなったり大きく物性が変化する温度域があり、材料を選定する上で熱特性を把握することが特に重要になります。DSC法は、試料の温度を変化させ試料に発生する物性変化に応じた温度変化を計測することで、熱特性の温度依存性を測定する方法です。少量の試料で基本的な熱特性が一度に測定できます。

試験方法と測定例

原理

試料を基準物質と共に同一条件で加熱又は冷却すると試料は溶融、反応、分解等により吸熱、発熱を起し、基準物質と温度差を生じます。この温度差を0に保つのに必要なエネルギーを時間又は温度に対して記録することで、少量の試料で基本的な熱特性が一度に測定できます。

装置外観:NEXTA DSC600
(日立ハイテクサイエンス社製)
装置外観:NEXTA DSC600(日立ハイテクサイエンス社製)

評価項目

  • ガラス転移温度(Tg)
  • 融解、融点(Tm)
  • 結晶化温度
  • 硬化反応挙動
  • 酸化誘導時間
  • 比熱     など

仕様

  • 測定温度域:-150 ~ 725℃
  • DSC範囲:±100mW
  • DSC感度:0.1μW(200℃等温保持条件)

測定例

成形法の異なるPETの測定
成形法の異なるPETのDSC測定

用途

高分子化合物のガラス転移温度、融解温度・融解熱、結晶化温度・結晶化熱、比熱、熱履歴、ブレンドポリマーの相溶性など

試料形態

  • フィルム、粉末、液体等 10 ~ 30mg程度

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