熱分解-ガスクロマトグラフィー質量分析(熱分解-GC-MS)
概要
プラスチック材料の構成成分を把握することは非常に重要です。熱分解-ガスクロマトグラフィー質量分析は、プラスチック材料を高温で熱分解することにより生成した熱分解生成物を同定することによって元のプラスチック材料を類推する方法です。例えば低温・高温の2段階に分けて分析を行うことで低分子量添加剤と樹脂成分の情報を分けることができ、より多くの知見を得ることができます。
試験方法と測定例
原理
試料加熱装置により高分子化合物などを300~800℃で熱分解させ、分解生成物をガスクロマトグラフ質量分析装置で分析します。


特微
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溶媒に不溶な硬化樹脂などの試料も分析することが可能です。
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混合物でもGCで各成分を分離することにより定性分析ができます。
測定範囲
試料加熱温度範囲:~800℃
測定例
用途
樹脂や異物の組成分析(主成分・添加剤)
サンプルサイズ
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約0.1mg~
粘着剤の組成分析
600℃で熱分解させた際の熱分解成分を解析することで、粘着剤組成は『アクリル酸ブチルとアクリル酸-2-エチルヘキシルの共重合体』と推定されました。

フェノール樹脂複合材中微量成分の同定
フェノール樹脂複合材は高絶縁性、高耐熱性を有していることから、多くの工業製品に用いられています。複合材においては成分が微量でも特性に影響を及ぼすことは少なくありません。そのため、材料開発においては、原材料に含有する微量成分を同定することが重要です。
しかしながら、複合材をそのまま測定しても、微量成分の検出量は十分でなく、分析することが困難な場合があります。そのため、微量成分を高い確度で同定するためには、阻害成分となる成分を複合材から分離し、低減させる適切な抽出処理を行った後にGC-MSを用いて分析することが有効です。
フェノール樹脂複合材から抽出処理を行い、GC-MS分析を行うことで2種の微量添加物を同定することができました。

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