X線回折測定(XRD)

概要

X線回折法(XRD)とは、試料に照射したX線が、原子がもつ電子によって回折する現象を解析する測定法です。

試験方法と測定例

原理

物質の結晶は、原子の配置が周期的なため、周期構造の距離と波長に応じてX線の回折が起きます。これをブラッグの法則といいます。この原子の配置は化合物によって異なるため、X線回折パターンもまた化合物によって異なります。このため、X線の回折パターンや強度比を解析することで、物質の同定や定量、結晶化度を算出をすることが可能です。

主な仕様

  • 測定項目:X線回折 (回折角2θ、回折強度)
  • 角度範囲:2θ=3° ~ 160°
  • 温度範囲:室温 ~ 250℃
  • 試料形態:粉末、板、フィルムなど
  • 対象物質:固体(高分子、セラミック、金属など)
X線回折装置外観画像

測定例

化合物の同定解析

測定化合物試料のX線回折パターンをデータベースと照合し、含有物質を推定します。

CaCO3であることが同定されました。

XRDでの化合物同定解析例

ポリビニルアルコールフィルムのX線回折測定(結晶化度)

ポリマー材料の機械特性や熱特性は結晶化度の影響を受けることから、結晶化度は材料設計や不良解析などで重要な指標となります。XRDでは、非晶質由来の回折強度と結晶由来の回折強度の比から結晶化度を算出することができます。

結晶化度計算式
ポリビニルアルコールフィルムのX線回折測定グラフ(結晶化度)

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