電子線マイクロアナライザー(EPMA) WDS(波長分散法)マッピング

概要

材料や製品の元素情報を把握することは、研究開発や品質管理などの現場において重要な項目の一つです。WDS(波長分散法)は、試料表面から発生する特性X線の波長を検出することで、表面微小部分の元素分析を行う方法です。元素同士の特性X線のピーク重なりが少なく、微量成分の元素分析も可能です。

試験方法と測定例

原理

細く絞られた電子線を固体表面に照射すると、図に示すように、照射された表面の微小領域から、各元素固有のX線、すなわち特性X線が発生します。

この特性X線を波長分散型X線分光器(WDS)を用いて測定することで、表面微小部分の元素分析を行うことができます。

EPMAの概略図
長分散型X線分光器(WDS)原理の模式図

特微

  • 特性X線の波長を測定することにより、元素を特定します。
  • 元素の種類やその量が分かります(定性分析、定量分析)。

仕様

  • 波長分散型検出器(WDS)搭載(測定下限値:0.01~0.1wt%オーダー)
  • 測定元素:5B(ホウ素)~92U(ウラン)
         ※軽元素(C,N,O)を高感度に分析可能な分光結晶も搭載しています。
  • 空間分解能:約1μmφ
  • 分析領域: (最小)□20μm~(最大)□75mm

測定例

基板断面の分析
内容
基板断面の面分析(元素マッピング)
結果
面分析を行うことで、各元素の分布状況を視覚的にとらえることができます。
基板断面の面分析結果(元素マッピング)
銅(Cu)表面の変色分析
SEM画像(反射電子・組成像)
ナトリウム(Na)のマップデータ
塩素(Cl)のマップデータ

変色部と同箇所にNaとClの分布を確認。

銅表面の変色原因に塩化ナトリウムが影響していることが示唆されました。

用途

  • 析出物、付着物、微小の異物の分析
  • 金属接合部の金属間化合物の分析
  • 異常箇所における各元素の分布状態の分析

サンプルサイズ

  • 大きなサンプルは、試料の裁断が必要です(数cm角)。
  • 目的に応じて、適切な前処理を行います。

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