FE-SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)
概要
材料や製品の形状を把握することは、研究開発や品質管理などの現場において重要な項目の一つです。電界放射型走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope:FE-SEM)は、電子線を試料表面に走査させることで試料の表面形状を観察する装置です。金属やプラスチックなど、様々な試料の表面形状を詳細に把握することができます。
試験方法と測定例
原理
細く絞られた電子線を固体表面に照射すると、下図に示すように、照射された表面の微小領域から、2次電子や反射電子が発生します。
2次電子はエッジや凸部では多く発生し、平坦部や凹部では発生量が少なくなります。また、反射電子は原子番号が小さいほど発生量が少なく、大きい程多くなります。
SEMは試料表面に電子線を走査することで、試料の表面形状を観察することができます。


仕様
観察倍率 :20~1,000,000倍
2次電子分解能 :0.6nm@15kV
加速電圧 :0.5~30kV
検出器 :Upper検出器、Lower検出器、Top検出器、反射電子検出器、STEM検出器、EDX検出器
用途
・フィルムや塗膜の最表面観察
・電子デバイスや多層試料の断面観察
サンプルサイズ
・40mm×40mm(大きなサンプルは、試料の裁断が必要です)。
・サンプルは目的に応じて、適切な前処理を行います。
測定例1
フィルムの表面観察

- 表面処理が施されたフィルムの最表面をSEM観察した写真です。
フィルム表面に形成されている200nm前後の微細な突起構造が密集している様子を帯電することなく観察できています。
また、観察倍率×150,000での高倍率観察により、突起一つ一つの形成状態が明瞭に観察できています。
測定例2
電子部品中の金ワイヤー接合部の断面観察



- 電子部品中の金ワイヤーとアルミパッド接合部をイオンビーム加工により断面作製し、無蒸着でSEM観察した写真です。
加速電圧1kVで、金ワイヤーの粒界に起因するコントラストが観察されています。
倍率を上げて金ワイヤーとアルミパッドの接合界面を観察すると、接合界面には金とアルミニウムの合金層が形成されているのが明確に観察できており、合金層内の粒界もコントラストとして表れています。
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