FE-SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)
概要
材料や製品の形状を把握することは、研究開発や品質管理などの現場において重要な項目の一つです。電界放射型走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope:FE-SEM)は、電子線を試料表面に走査させることで試料の表面形状を観察する装置です。金属やプラスチックなど、様々な試料の表面形状を詳細に把握することができます。
試験方法と測定例
原理
細く絞られた電子線を試料(固体)表面に照射すると、下図に示すように、照射された表面の微小領域から、二次電子や反射電子が発生します。
二次電子はエッジや凸部では多く発生し、平坦部や凹部では発生量が少なくなるので試料の凹凸情報を反映した画像が得られます。
また、反射電子は原子番号が小さいほど発生量が少なく、大きいほど多くなるので試料の組成情報を反映した画像が得られます。
試料表面を電子線により走査することで、表面形状を観察することができます。

特微
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試料表面から発生する二次電子や反射電子を検出します。
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焦点深度が深く立体的に構造を観察することができます。
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電界放出型電子銃を装備しており、高輝度・高分解能な像観察が可能です。
測定範囲
二次電子像、反射電子像(組成像)
倍率:50~300,000倍
測定例
はんだ接合部の金属間化合物観察
- 内容
- はんだ/銅回路間に形成される金属間化合物
- 結果
- はんだ接合部断面を作製して、はんだ/銅回路界面に形成される金属間化合物を観察しています。
界面には、はんだ中に伸びる金属間化合物の形成が確認でき、はんだ中には含有成分が粒状に偏在している様子がわかります。

塗膜の表面処理状態の観察
- 結果
- 表面処理により塗膜表面に形成されたポーラス構造や、100nm程度の微細な粒状構造が高倍率で観察出来ています。

フィラーの形状観察
- 結果
- 針状フィラーが立体的に観察出来ています。焦点深度が深く、広範囲でピントの合った画像が得られます。

用途例
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電子デバイスや多層試料の断面形状観察
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樹脂/フィラー界面の密着状態の観察
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フィルムや塗膜表面の異物観察
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不具合分析
サンプルサイズ
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大きなサンプルは、試料の裁断が必要です(数cm角)。
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目的に応じて、適切な前処理を行います。
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