曲げ疲労試験

概要

曲げ疲労試験(曲げ疲れ試験)は曲げモーメントを繰返し与える試験法で、材料の破壊までの繰返し回数(疲労寿命)を測定します。
片持ち曲げ、両持ち曲げの試験法があり形状は規格(JIS K 7119)で規定されています。
材料は、それぞれ特有の強さを有しており強さ以上の応力が付加されたときに破壊しますが、それよりも小さな応力であっても、繰返し負荷した場合に破壊することがあります。このような現象を疲労(疲れ)と呼び、材料の長期信頼性の把握には非常に重要な特性になります。
一般的に鉄鋼材ではある応力以下では疲労破壊しない領域(疲労限)を有しますが、プラスチックでは疲労限を示さないことがほとんどで、107回を疲労限とすることが多いです。

試験方法と測定例

原理

曲げ疲労試験では曲げ応力を一定周期で負荷し、材料の破壊までの繰返し回数(疲労寿命)を測定します。

特徴

  • 曲げ疲労試験の規格(JIS K 7118、JIS K 7119)に準拠した試験が可能です。
  • 曲げ疲労特性の温度依存性のデータが取得できます。

仕様

東洋精機製作所製 B-70 TH

曲げ疲労試験機仕様
曲げ疲労試験機外観画像

試験片

試験片:両持ち曲げ疲労(JIS K 7119 Ⅰ、Ⅱ号形)
試験片:片持ち曲げ疲労(JIS K 7119 Ⅲ号形)

試験方法

曲げ疲労試験方法:両持ち
曲げ疲労試験方法:片持ち
曲げ疲労試験:負荷波形

引張(圧縮)疲労試験では通常は最低応力=0の片振り応力で試験することが多いです。

測定例

横軸に繰返し数を対数目盛で取り、縦軸には繰返し応力を取って示す、応力繰返し数線図(S-N線図、疲労寿命曲線)を作成し、107回での応力を測定し疲労強さを求めます。
なお、破断面を電子顕微鏡で観察すると疲労のメカニズムが判明します。

曲げ疲労試験測定例(S-N線図、疲労寿命曲線)

振動応力が小さくなるにつれ破壊までの繰返し数は増大します。しかし、材料が耐えうる疲労強度は、静的引張強さのほんの一部にすぎず、振動または繰返し変形を受ける工業用プラスチック部品には、振動疲労特性が特に重要です。

用途

疲労強度(疲れ強度) 、疲労寿命(疲れ寿命)の評価

規格例

JIS K 7118 「硬質プラスチック材料の疲れ試験方法通則」

JIS K 7119 「硬質プラスチック平板の平面曲げ疲れ試験方法」

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