圧縮試験

概要

圧縮試験は、引張試験と同様に材料の機械的性質の評価として、 試料の圧縮強さ、圧縮ひずみ、圧縮弾性率を算出する最も基本的な試験方法です。
プラスチックは身近な日用品をはじめ、自動車、パソコンなど様々な場所・環境で使用されており、状況に応じて変形、劣化などを引き起こします。プラスチックは諸性質が温度によって著しく変化するため、温度を広範囲に変えて行われる圧縮試験は、材料の強さや破壊を知るために有用です。

試験方法と測定例

原理

圧縮試験は万能試験機を用い、試料の圧縮強さ、圧縮弾性率などを測定します。

特徴

恒温槽の使用により-150℃~+350℃までの評価が可能です。材料の温度依存性データの取得が可能です。

仕様

装置:エー・アンド・デイ社製 テンシロン(引張試験と同様)

試験片

JIS K 7181
 長さ:10±0.2 mm(圧縮強さ)、50±2 mm(圧縮弾性率) 幅:10±0.2 mm、厚さ:4±0.2 mmに多目的試験片から切り取って作製したもの
 もしくは成形した角柱。
 JIS規格以外のものも可能です。

試験方法

試験片を圧縮試験装置(下図)の基板上に置き、試験片と試験装置の中心線が同一 鉛直線上にあって、試験片の上下端面が圧縮試験装置の加圧面と全く平行になるようにします。加圧片に荷重を加え、試験片が破損した時の荷重を測定します。圧縮弾性率はひずみゲージを試験片に貼り付け、荷重-ひずみ曲線を作図し、その初期勾配(F/Y)より求めます。

圧縮試験_画像
圧縮試験概略図

規格例

JIS K 7181 JIS K 7018 JIS K 7076 ISO 604 ASTM D 695など

  
     

用語

・圧縮応力 : 応力をかける前試験片の断面積あたりの圧縮荷重。

圧縮応力計算式

・圧縮降伏応力 : 応力の増加を伴わずにひずみが増加する最初の応力。

・圧縮破壊応力 : 試験片が破壊するときの圧縮応力。

・圧縮強さ : 試験片が耐える最大圧縮応力。

・圧縮ひずみ : 標線間距離の減少量を初めの標線間距離で除した値。

圧縮ひずみ計算式

・圧縮弾性率 : 規定された2点の応力の差をひずみの差で除した値。

圧縮弾性率計算式

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